残尿感がある

排尿後もスッキリしない
残尿感の悩み

排尿したはずなのに、まだ尿が残っているように感じる。
――このような残尿感に悩んでいませんか。回数は多くないのに、スッキリしない状態が続くと、不安やストレスにつながることがあります。

残尿感は一時的な体調変化で起こることもありますが、膀胱や尿路のトラブルが関係している場合もあります。症状が続く場合は、原因を整理しておくことが大切です。

トイレでお腹を押さえている女性

このようなお悩みはありませんか
  • 排尿後も尿が残っている感じがする
  • すぐにまたトイレに行きたくなる
  • 排尿してもスッキリしない
  • 少量ずつ何度もトイレに行く
  • 下腹部に違和感がある
  • 尿の勢いが弱く感じる
  • トイレの後も不快感が残る
  • 以前より排尿の感覚が変わった

症状から考えられること

残尿感は、膀胱内の尿が完全に排出されていない場合だけでなく、膀胱や尿道の感覚が過敏になっていることで生じることもあります。実際に尿が残っていない場合でも、不快感として残尿感を自覚するケースがあります。

膀胱の炎症や神経の働き、排尿の仕組みに関わるトラブルが隠れていることもあるため、症状が続く場合は注意が必要です。

考えられる主な病気

膀胱炎
(尿路感染症)

膀胱炎は、細菌感染などにより膀胱に炎症が起こる状態です。トイレが近い、残尿感がある、排尿時に違和感があるといった症状が出ることがあります。

女性は尿道が短いことなどから膀胱炎が起こりやすいとされ、繰り返す方もいます。

放置すると症状が長引くことがあるため、早めの確認が大切です。

当院で行う検査

まずは症状について詳しくお伺いします。

  • 排尿時の痛みや違和感の有無
  • 頻尿、残尿感、血尿の有無
  • 発熱や腰の痛みがないか

そのうえで、

  • 尿検査(細菌・白血球・血尿の有無を確認)

を行い、膀胱炎の可能性を判断します。

症状が強い場合や繰り返している場合には、

  • 尿培養検査(原因菌の特定)
  • 超音波検査

などを追加することもあります。

治療方法

主にお薬による治療が中心です。

  • 抗菌薬(原因となる細菌を抑えるお薬)
  • 痛みや不快感を和らげるお薬
  • 痛みが強い場合は鎮痛薬

を症状に合わせて処方します。

あわせて、

  • 水分をしっかりとる
  • 尿を我慢しない
  • 体を冷やさない

などの生活上の注意をお伝えすることもあります。

多くの場合、数日〜1週間程度で症状は軽くなりますが、自己判断で服薬を中止せず、処方された期間は最後まで内服することが大切です。

受診の目安

次のような症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。

  • 排尿時の痛みや違和感がある
  • トイレが近い、残尿感が続く
  • 尿が濁る、血が混じる
  • 下腹部の痛みがある
  • 発熱や背中の痛みを伴う

特に、発熱や腰の痛みがある場合は腎臓まで感染が広がっている可能性もあるため、早めの確認が重要です。

  • 早めの受診が必要な場合
    発熱や腰の痛みを伴う場合は、早めの受診をお勧めします。

神経因性膀胱

神経因性膀胱は、排尿に関わる神経の働きが乱れることで、膀胱や尿道の連動がうまくいかなくなる状態です。尿が出にくい、出し切れない、残尿感が強いといった症状として現れることがあります。

体の状態や背景によって症状の出方はさまざまで、日によって波が出ることもあります。排尿のタイミングがつかみにくい、排尿に時間がかかると感じる場合は、原因を整理することが大切です。

放置すると残尿が増え、違和感や感染につながる場合もあるため、気になる変化が続く場合は早めの確認が安心です。

当院で行う検査

神経因性膀胱が疑われる場合は、まず症状の経過や生活への影響について詳しくお伺いします。排尿のしづらさや残尿感の有無、排尿にかかる時間などを確認し、現在の状態を整理します。

  • 排尿の出にくさ・残尿感の有無
  • 症状が出始めた時期
  • 日常生活への影響
  • 服用中のお薬の確認

必要に応じて尿検査や超音波検査を行い、残尿量や膀胱の状態を評価します。
背景にある病気や神経の影響が疑われる場合は、追加検査を検討することもあります。

治療方法

症状の程度や生活状況に合わせて治療方針を決定します。主に排尿をスムーズにするためのお薬を使用しながら、残尿が多い場合は経過を見つつ治療内容を調整します。

薬物療法
  • 膀胱の過緊張を抑える薬(β3刺激薬や抗コリン薬)
  • 排尿を助けるお薬(ジスチグミン臭化物)
  • 残尿を減らす目的のお薬(α1遮断薬)
生活指導
  • 排尿のタイミングを整える工夫
  • 水分摂取のバランス調整
  • 排尿姿勢や腹圧のかけ方の見直し

症状が強い場合や改善が乏しい場合には、より詳しい評価が必要となることがあり、その際は適切な医療機関をご案内します。

受診の目安

  • 尿が出にくい、出るまで時間がかかる
  • 排尿後もスッキリしない感じが続く
  • 尿が途中で途切れる
  • 頻繁にトイレに行きたくなる
  • 残尿感や違和感が続く

こうした症状が続く場合は、早めにご相談ください。状態を確認することで、今後の対策を立てやすくなります。

  • 神経因性膀胱が疑われる場合
    尿が出にくい状態が続く、残尿感が強い、排尿に時間がかかる場合はご相談ください。
  • 早めの受診が必要な場合
    尿がほとんど出ない状態や、強い下腹部の張り・痛みを伴う場合は、早めの受診をおすすめします。

間質性膀胱炎

間質性膀胱炎は、膀胱の粘膜が薄くなるなどの原因で、尿が溜まる際に下腹部に激しい痛みや強い尿意(尿意亢進)を感じる病気です。細菌感染による一般的な膀胱炎とは異なり、抗生物質が効かないのが特徴です。

当院で行う検査

他の疾患を除外しながら、間質性膀胱炎特有の症状を確認します。

  • 痛みが出るタイミング(尿が溜まった時に痛み、出すと楽になるか)
  • 1日の排尿回数

そのうえで必要に応じて、

  • 尿検査
  • 排尿日誌(数日間、飲んだ水の量と排尿した量・時間を記録)
  • 膀胱鏡検査(膀胱内に特有の炎症(ハンナ病変)や出血がないかを確認)

治療方法

  • 食事療法・生活指導(刺激物(強いスパイス、高カリウム食品、柑橘類、アルコール、カフェインなど)を控える)
  • 薬物療法(膀胱粘膜を保護するお薬や、痛み・過敏を抑えるお薬)
  • 膀胱水圧拡張術(麻酔下で膀胱に水分を注入し、縮まった膀胱を広げる治療)

受診の目安

  • 尿が溜まると下腹部や尿道付近が痛む
  • 常に強い尿意があり、1日に何度もトイレに行く

GSM
(閉経関連泌尿生殖器症候群)

閉経に伴う女性ホルモンの減少により、デリケートゾーンや泌尿器に現れる膣の乾燥・萎縮、性交痛、尿漏れ・残尿感・頻尿などのさまざまな不快な症状を総称して「GSM」と呼びます。加齢による自然な変化ではありますが、適切にケアをすることで症状の改善が期待できます。

当院で行う検査

まずは詳しい問診が中心になります。

  • 症状の内容(乾燥感、かゆみ、性交時の痛み、頻尿、尿漏れ、残尿感など)
  • いつ頃から続いているか
  • 日常生活への影響、服用中のお薬の確認

そのうえで必要に応じて、

  • 尿検査(膀胱炎などの感染がないかを確認)
  • 視診(外陰部や腟粘膜の乾燥・萎縮の程度を確認)
  • 内診(「ふわふわ」の減少を確認)

治療方法

症状の程度や生活スタイルに合わせて、最適な方法をご提案します。

生活指導・セルフケア
  • デリケートゾーン専用の洗浄剤や保湿剤の使用
  • 洗いすぎの禁止
  • 骨盤底筋体操(尿漏れや頻尿がある場合)
薬物療法
  • 局所エストロゲン療法(腟錠や塗り薬)
  • 保湿剤・潤滑剤
  • 漢方薬
レーザー治療(自費診療)

レーザーを用いて粘膜の再生を促し、組織の潤いや弾力を取り戻す治療法です。当院ではyoniHIFUという膣ハイフも用いて治療します。

受診の目安

  • 以前よりも尿が近くなった、または我慢が難しくなった
  • デリケートゾーンのヒリヒリ感が続いている

MUFS
(筋膜性頻尿症候群)/
MPPS(筋筋膜性骨盤疼痛症候群)

頻尿や残尿感がありながら、検査をしても膀胱や前立腺に異常が見つからない場合、骨盤周りの筋肉や筋膜の硬直が原因となっている可能性があります。これを「MUFS(筋膜性頻尿症候群)」または「MPPS(筋筋膜性骨盤疼痛症候群)」と呼びます。

近年になって解明が進んできていますが、今でも慢性前立腺炎や慢性膀胱炎などと言われ、適切な治療がされていない患者様は多くいらっしゃいます。

当院で行う検査

まずは詳しい問診に加え、筋肉の状態を確認することが重要になります。

  • 症状の内容(頻尿、残尿感、下腹部や会陰部の違和感・鈍痛など)
  • 生活習慣(デスクワークの長さ、運動習慣、ストレスの有無)
  • 過去の治療歴(お薬の効果があったかどうか)

そのうえで必要に応じて、

  • 触診(骨盤周りの筋肉(下腹部、内もも、臀部など)にトリガーポイントがないかを確認)
  • 尿検査・超音波検査(膀胱炎や結石、癌など他の病気が隠れていないかを除外)
  • 残尿測定(実際に尿が残っているのか、感覚的なものかを客観的に判断)

症状が強い場合や他の病気が疑われる場合は、CT、MRIなどの追加検査を行うケースもあります。

治療方法

筋肉の緊張をほぐし、神経の過敏を抑えるアプローチを組み合わせて行います。

理学療法・ストレッチ
  • 骨盤底筋の弛緩トレーニング(鍛えるのではなく「緩める」練習)
  • 股関節・臀部のストレッチ(筋膜のこわばりを解消)
生活指導
  • 長時間のデスクワークや同一姿勢の改善(こまめに動く)
  • 冷え対策(入浴による温熱効果)
  • ストレス管理(リラクゼーション)
薬物療法・その他
  • 筋弛緩薬(ボトックスにより筋肉の過剰な緊張を和らげます)(自費治療)
  • 漢方薬(血流改善・内臓の過敏を抑える処方)
  • 鎮痛薬(痛みや違和感が強い場合に一時的に併用)
  • 筋膜リリース(生理食塩水により筋膜をはがす)(自費治療)

受診の目安

次のような場合は、筋肉や筋膜に原因があるかもしれません。

  • 尿検査や一般的な頻尿の薬で改善が見られない
  • 座りっぱなしの仕事が多く、腰痛や股関節の硬さを感じている
  • 朝よりも、夕方や疲れが溜まった時に症状が強くなる
  • 下腹部や股関節周りを押すと、じわっと響くような痛みや尿意を感じる
  • 病院で「異常なし」と言われたが、不快な症状が続いている

MUFS/MPPSは適切なリラクゼーションと治療で改善が可能な病態です。気になる症状があれば、まずはお話をお聞かせください。

まとめ

残尿感は、膀胱や尿路の炎症だけでなく、神経や筋肉の働きが関係している場合もあります。排尿後の違和感が続く場合は、我慢せず泌尿器科での相談をご検討ください。