検診で潜血陽性を指摘された

検診で潜血陽性
尿検査の異常

健康診断や人間ドックの尿検査で「潜血陽性」と指摘され、不安に感じていませんか。見た目では血尿が分からなくても、尿中に血液成分が混じっていることがあります。

潜血陽性は一時的な変化の場合もありますが、泌尿器科で確認した方がよい病気が隠れていることもあります。結果を受け止め、原因を整理することが大切です。

診断結果を見ている男性

このようなお悩みはありませんか
  • 尿検査で潜血陽性と言われた
  • 自覚症状は特にない
  • 尿の色は普通に見える
  • 過去にも潜血を指摘された
  • 健診後どうすればよいか分からない
  • 血尿が出たことがある
  • 背中や腰に違和感がある
  • 再検査を勧められた

症状から考えられること

潜血陽性は、尿の中に目に見えない量の血液成分が混じっている状態です。腎臓・尿管・膀胱・前立腺など、尿路のどこかで出血が起きている可能性があります。

痛みや自覚症状がなくても、病気の初期サインとして現れることがあります。健診結果をきっかけに、原因を確認しておくことが安心につながります。

考えられる主な病気


急性細菌性前立腺炎

大腸菌などの細菌が尿道から前立腺に侵入し、急激に繁殖することで起こります。前立腺がパンパンに腫れ上がるため、強い症状が出やすいのが特徴です。

38度以上の高熱とともに、排尿時の激しい痛み、頻尿、尿が出にくくなる(尿閉)などの症状が現れます。重症化すると細菌が血液中に流れ込む恐れがあるため、一刻も早い治療が必要です。

当院で行う検査

まずは症状について詳しくお伺いします。

  • 発熱の有無や、痛みの強さ・場所の確認
  • 尿検査(尿中の白血球や細菌の有無を確認)
  • 血液検査(炎症の強さを測るCRPや白血球数の確認)

※急性期は症状悪化を防ぐため、前立腺を強く押す触診は避けます。

症状が強い場合や繰り返している場合には、

  • 尿培養検査(原因菌の特定)
  • 超音波検査

などを追加することがあります。

治療方法

主にお薬による治療が中心です。

薬物療法
  • 適切な抗菌薬(抗生物質)の投与(点滴や内服)
  • 痛みが強い場合は鎮痛薬を併用を症状に合わせて処方します。

高熱や脱水がある場合は、点滴治療や入院加療が必要になることもあります。
多くの場合、数日〜1週間程度で症状は軽くなりますが、抗生剤治療は2〜4週間程度継続する必要がございます。

受診の目安

次のような症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。

  • 排尿時の痛みや違和感がある
  • トイレが近い、残尿感が続く
  • 尿が濁る、血が混じる
  • 発熱や背中の痛みを伴う

男性の細菌感染は前立腺が関係していることも多く、重症化する場合があります。発熱や尿がでない、腰の痛みを伴う場合は、早めの確認が重要です。

尿路結石

尿路結石は、腎臓や尿管、膀胱にできた結石が尿路を刺激・損傷することで血尿が出る病気です。

強い腰や背中の痛みを伴うこともあれば、痛みがほとんどなく血尿だけが見つかるケースもあります。

結石の位置や大きさによって症状の出方が異なります。

当院で行う検査

症状の経過や痛みの有無について詳しくお伺いします。
腰や背中の痛み、血尿の有無、排尿時の違和感などを確認します。

  • 尿検査(血尿や感染の有無を確認)
  • 超音波検査(腎臓・尿管・膀胱の状態確認)
  • 腹部レントゲン検査(結石の位置を確認)

結石の正確な大きさ、位置を確認する場合、また同時に発熱がある場合にはCT検査を追加します。

治療方法

結石の大きさや症状に応じて治療を行います。

結石が、小さい場合は1日2リットル以上の水分摂取、α1遮断薬(尿管を広げる)、結石溶解作用のあるウラジロガシエキス(ウロカルン)、漢方(猪苓散)などの内服で経過観察していきます。

痛みが強い場合は、鎮痛剤を処方し痛みを和らげます。
結石が大きく排出されにくい場合は、体外衝撃波破砕術や経尿道的尿管結石破砕術が必要となるため、専門医療機関にご紹介をさせていただきます。

受診の目安

次のような症状がみられる場合は、早めの受診をおすすめします。

  • 腰や背中に強い痛みがある
  • 尿に血が混じる
  • 排尿時に違和感がある
  • 吐き気や発熱を伴う
  • 痛みが繰り返し起こる

結石の大きさや場所によって症状が変わりますので、気になることがあれば早めにご相談ください。

膀胱がん

膀胱がんは、膀胱の内側の粘膜から発生するがんです。最も多い初期症状は「痛みなどの症状を伴わない血尿」です。

当院で行う検査

  • 問診(血尿の有無、排尿痛の有無、喫煙歴(最大のリスク要因))
  • 尿検査・尿細胞診
  • 超音波検査(膀胱内に腫瘍が突出していないかを確認)
  • 膀胱鏡検査(内視鏡を挿入し、膀胱の内部を直接観察)
  • CT・MRI検査(必要に応じて近隣の総合医療機関にご紹介)

治療方法

  • TURBT(経尿道的膀胱腫瘍切除術):尿道から電気メスで腫瘍を削る治療。
  • 膀胱内注入療法(抗がん剤やBCGを膀胱内に直接注入)

診断がついた場合や上記治療が必要となれば、迅速に近隣の総合医療機関にご紹介します。

受診の目安

  • 痛みがないのに血尿が出た(一度きりで止まった場合も要注意)
  • 尿の色が赤、または茶褐色になった

悪性腫瘍
(尿管癌、膀胱癌、腎癌、前立腺癌(男性のみ)など)

膀胱癌や腎臓癌などの悪性腫瘍では、痛みなどの自覚症状はほとんどなく、血尿がきっかけで見つかることが多いです。

早期発見のためにも、血尿が出たら年齢のせい、体調が悪いからと放置せず必ず泌尿器科を受診ください。

当院で行う検査

症状の経過や血尿の有無について詳しくお伺いします。
痛みを伴わない血尿、排尿時の違和感、腰や背中の違和感などを確認します。

必要に応じて、

  • 尿検査(血尿や異常細胞の有無を確認)
  • 超音波検査(腎臓・膀胱の状態確認)
  • CTやMRIなどの画像検査
  • 膀胱鏡検査
  • 男性の場合、PSA(前立腺癌マーカー)

をチェックします。
こちらの検査から異常が疑われる場合は、速やかに専門医療機関にご紹介させていただきます。

治療方法

当院では、検査結果をもとに治療方針を検討いたします。
当院で治療が困難と判断される場合や、精密検査や専門的な治療や手術が必要とされる場合には、速やかに適切な医療機関へご紹介します。

受診の目安

次のような症状がみられる場合は、早めの受診をおすすめします。

  • 痛みを伴わない血尿がある
  • 血尿を繰り返している
  • 排尿時の違和感が続く
  • 腰や背中に違和感がある
  • 原因不明の体重減少や倦怠感がある

癌による血尿は、他に痛みなどの自覚症状がなく血尿だけがきっかけで見つかることがほとんどです。
血尿が見られれば放置せず、必ず泌尿器科を受診ください。

  • 原因不明の血尿がある場合
    痛みがなくても血尿が続く場合は一度ご相談ください。

薬剤による血尿
(サリチル酸、サルファ剤など)

薬剤による血尿は、特定の薬を服用した際の副作用として、尿路粘膜が傷ついたり腎臓へ負担がかかったりすることで尿に血が混じる状態です。

当院で行う検査

まずは詳しい問診が中心になります。

  • 服薬履歴の確認(現在服用中の薬やサプリメントの種類・期間を詳しく聴取)
  • いつ頃から続いているか
  • 日常生活への影響

そのうえで必要に応じて、

  • 尿検査・尿沈査(顕微鏡で尿中の赤血球の形をチェック)
  • 超音波検査(膀胱や腎臓、前立腺の状態確認)

治療方法

  • 原因薬剤の中止・変更(医師の指示のもと行います)
  • 水分摂取(結晶が原因の場合は水分を多く摂って尿量を増やす)
  • 対症療法(炎症がひどい場合は抗炎症薬や止血剤を使用)

受診の目安

  • サリチル酸(アスピリン等)の影響で目に見える血尿が現れた
  • サルファ剤服用後に痛みや血尿がある

お薬を飲み始めてから尿の色が変わったときは、体からの小さなサインかもしれません。自己判断で中止せず、まずは処方薬をお持ちのうえでご相談ください。

糸球体性血尿

糸球体性血尿は、腎臓のろ過装置である「糸球体」が、炎症や損傷によって壊れ、本来は漏れ出さないはずの赤血球が尿に漏れ出している状態です。主な原因はIgA腎症や急性腎炎などの腎疾患です。当院は腎臓の専門医が対応しますので、何なりとご相談ください。

当院で行う検査

  • 症状の内容(無症状の経過やコーラ色の尿の有無など)
  • 尿検査・顕微鏡検査(変形赤血球やタンパク尿の合併を確認)
  • 血液検査(腎機能や免疫の異常を調べます)
  • 超音波検査(腎臓の状態確認)

確定診断が必要な場合は腎生検を行うケースもあります(近隣の総合医療機関にご紹介)。

治療方法

  • 食事療法(腎機能の状態に合わせて塩分制限やタンパク質制限)
  • 血圧管理(降圧薬による厳格なコントロール)
  • 免疫抑制療法(ステロイド薬などを用いて炎症を抑える)

受診の目安

  • 健康診断の尿検査で「潜血陽性」として発見された
  • 鮮やかな赤色ではなく、茶褐色(紅茶やコーラのような色)の尿が出た
  • タンパク尿が合併していると指摘された

まとめ

検診で潜血陽性を指摘された場合、自覚症状がなくても尿路の異常が隠れていることがあります。結果を放置せず、泌尿器科で一度確認しておくと安心です。