陰嚢が大きくなった
陰嚢が大きくなった
片側だけの腫れ
陰嚢(いんのう)が以前より大きくなった、片側だけが腫れているように感じる――このような変化に気づいていませんか。痛みがない場合でも、見た目の変化は体からのサインの一つです。
陰嚢の腫れは、良性の病気から注意が必要な病気まで、さまざまな原因で起こることがあります。気になる変化がある場合は、早めに確認することが大切です。
- 陰嚢が大きくなった
- 片側だけ腫れている
- 痛みはないが違和感がある
- 重たい感じがする
- 触ると硬さの違いを感じる
- 徐々に大きくなってきた
- 見た目が左右で違う
- 以前から気になっている
症状から考えられること
陰嚢の腫れは、精巣やその周囲に液体がたまったり、しこりができたりすることで起こることがあります。痛みを伴わない場合でも、内部で変化が進んでいることがあります。
見た目の変化や左右差が続く場合は、原因をはっきりさせておくことが安心につながります。
考えられる主な病気
-
陰嚢水腫
精巣を包む袋の中に液体が溜まり、陰嚢が大きく膨らむ状態です。 -
精巣腫瘍
精巣にできるがんで進行が非常に早いため、早急な確認が重要です。 -
鼠径ヘルニア
足の付け根の筋肉の隙間から腸などが飛び出す「脱腸」の状態です。 -
精巣捻転
精巣の血管がねじれて血流が止まる緊急を要する病気です。数時間以内の処置が必要です。 -
精巣炎・精巣上体炎
細菌感染などにより精巣やその周囲が炎症を起こして腫れ、強い痛みと発熱を伴います。
陰嚢水腫
陰嚢水腫は、精巣を包む袋の中に液体が溜まり、陰嚢が大きく膨らむ状態です。痛みは少ないですが、大きくなると重だるさや歩きにくさを感じることがあります。
「痛くないし、放っておいても大丈夫かな」と様子見をしていませんか。自然にしぼむことは少なく、大きくなると歩きづらさにもつながるため、まずは一度状態を確認しておきましょう。
当院で行う検査
まずは詳しい問診が中心になります。
- 症状の内容(膨らみの程度・重だるさなど)
- いつ頃から(気づいた時期)続いているか
- 日常生活への影響、服用中のお薬の確認
そのうえで必要に応じて、
- 透光試験(光を当てて内容物を確認)
- 超音波検査(液体の貯留状態、精巣の状態確認)
- 尿検査(感染の有無を確認)
治療方法
- 生活指導(軽度のふくらみがあれば経過を見ることもあります)
- 外科的処置(穿刺吸引(水を抜く処置)や根本的な手術療法)
受診の目安
- 痛みはないが、陰嚢が徐々に大きくなってきた
- 左右の大きさに明らかな差がある
- ズボンを履いた時に重だるさや違和感が強い
精巣腫瘍
精巣腫瘍は、精巣にできる「がん」です。20〜30歳代に多く、進行が非常に早いため、痛みがないからと放置せず早急に確認することがとても重要です。精巣が腫れてきたら、放置せず、すぐに受診ください。
当院で行う検査
まずは詳しい問診が中心になります。
- 症状の内容(しこりの有無・硬さ・重だるさなど)
- いつ頃から(変化のスピード)続いているか
- 服用中のお薬の確認
そのうえで必要に応じて、
- 触診(精巣の硬さや表面の状態を確認)
- 超音波検査(精巣内部の状態、腫瘍の有無を確認)
- 血液検査(腫瘍マーカーの確認)
治療方法
- 手術療法(高位精巣摘除術)
- 薬物療法・放射線療法(抗がん剤や放射線を用いて治療)
精巣腫瘍を疑う場合は、迅速に近隣の総合医療機関にご紹介します。
受診の目安
- 精巣に痛みのない「しこり」がある
- 急に片方の精巣が大きくなってきた
- 下腹部に引っ張られるような重だるさが強い
精巣のしこりや腫れは、痛みがなくても早めの確認がとても大切です。デリケートな場所ですが、あなたの健康を守るためにためらわずご相談ください。
鼠径ヘルニア
鼠径ヘルニアは、足の付け根の筋肉の隙間から、腸などが飛び出してしまう「脱腸」の状態です。立ったり力を入れたりした時に膨らむのが特徴です。
当院で行う検査
まずは詳しい問診が中心になります。
- 症状の内容(膨らみの位置・引っ込むかどうかなど)
- 日常生活への影響(痛みや違和感)、服用中のお薬の確認
そのうえで必要に応じて、
- 視診・触診(立位と臥位での状態変化を確認)
- 超音波検査(脱出している臓器、筋肉の隙間の状態確認)
- CT検査(複雑なヘルニアの評価)
治療方法
- 生活指導(重いものを持つなどの腹圧回避)
- 手術療法(人工網(メッシュ)などで穴を塞ぐ手術)
手術の場合は近隣の総合医療機関にご紹介します。
受診の目安
- 足の付け根に、力を入れると膨らむ場所がある
- 手で押すと引っ込むが、すぐにまた出てくる
- 膨らみが戻らなくなり、激痛や吐き気がある(※至急受診ください)
精巣捻転
精巣捻転は、精巣の血管がねじれて血流が止まる、緊急を要する病気です。数時間以内に処置をしないと精巣が壊死してしまいます。症状があれば、すぐに受診頂くことをお勧めします。
当院で行う検査
迅速な問診と検査が中心になります。
- 症状の内容(突然の激痛・吐き気など)
- 何時何分頃から始まったか(急激な痛みのためはっきり時間がわかることが多い)
そのうえで必要に応じて、
- 身体診察(精巣の位置や挙上時の痛み、挙筋反射などを確認)
- カラードプラ超音波検査(精巣への血流の有無を確認)
- 尿検査(感染との判別)
緊急性が極めて高いため、検査を最小限にして即座に近隣の総合医療機関にご紹介することもあります。
治療方法
- 外科的処置(緊急手術:ねじれの解除と両側の精巣固定)。近隣の総合医療機関にご紹介します。
- 徒手整復(応急的に手でねじれを戻す試みを行うことがあります)
受診の目安
次のような場合は、直ちに受診してください。
- 片側の精巣に、突然の激しい痛みが走った
- 激痛とともに吐き気や嘔吐がある
- 精巣が赤く腫れ、持ち上げると痛みが強くなる
突然の激しい痛みは、大切なサインです。数時間以内の素早い治療介入が必要ですので、恥ずかしがったり我慢したりせず、すぐに受診してください。
精巣炎・精巣上体炎
精巣炎・精巣上体炎は、細菌感染などにより精巣やその周囲が炎症を起こして腫れる病気です。強い痛みと高熱を伴うことが多いのが特徴です。
当院で行う検査
まずは詳しい問診が中心になります。
- 症状の内容(腫れ・痛み・発熱など)
- いつ頃から続いているか
- 日常生活への影響
- 服用中のお薬の確認
そのうえで必要に応じて、
- 尿検査・尿培養検査(細菌・白血球の有無を確認)
- 血液検査(炎症反応の上昇を確認)
- 超音波検査(血流増加の確認、精巣捻転との判別)
症状が強い場合や他の病気が疑われる場合は、CT、MRI検査などの追加検査を行うケースもあります。
治療方法
症状の程度や原因に合わせて組み合わせて行います。
- 生活指導(安静の維持、患部の冷却)
- 薬物療法(抗生物質の点滴・内服や、鎮痛剤を用いて治療を行います)
受診の目安
次のような場合は、一度受診を検討されることが多いです。
- 片側の精巣が大きく腫れ、熱をもっている
- 高熱が出て、股の間に強い痛みがある
- 尿が濁る、または排尿時に痛みがある
- 歩くのが辛いほど、生活に支障が出ている
- 市販薬や生活改善だけでは良くならない
急な腫れや熱、強い痛みがある場合、薬(抗生物質)でしっかり治せますので、決して我慢せず早めにお越しください。
まとめ
陰嚢が大きくなる症状は、良性の病気から注意が必要な病気まで原因はさまざまです。見た目の変化に気づいた場合は、放置せず泌尿器科で一度確認してみてください。